「好転反応」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。それは、施術や健康法を試した際に、一時的に体調が悪化する現象を指します。
「好転反応」というものが実際にあるのかという点については賛否両論があります。科学的な証拠が不足しているため、心理的要因によるもの、プラセボ効果(思い込み)によるものではないかと指摘する声もあります。しかし、実際には多くのセラピストや利用者様が「好転反応」という経験をしています。
初めて経験する方にとっては、驚きや不安を感じることが多いですが、実は身体が回復過程にあるサインともいわれています。今回は整体などの施術における好転反応について説明し、なぜ起こるのか、どのように対処すればよいかについてまとめます。
好転反応の原因
好転反応は、身体が本来持つ自己治癒力の働きによって引き起こされると言われています。施術によってお身体のさまざまな部位の調子が改善し、自己治癒力が高まります。そのため、お身体が危急な変化に反応して、各部位に痛みなどのさまざまな症状として現れます。
また、お身体に受ける刺激が強かったり、多すぎたりしても好転反応が現れることがあります。一日に長時間の施術をすると、1,2日ほど症状が現れることがあります。これはいわゆる揉み返しとは違う反応です。
1日に改善できる量は個人差がありますが、限りがあるため、強すぎる刺激・多すぎる刺激は調整する必要があります。何事もやりすぎは良くないということです。
好転反応の症状
好転反応の症状は個人差がありますが、以下の様なものがあります。
・倦怠感や疲労感
・眠気もしくは不眠
・頭痛やめまい
・発疹や湿疹
・便秘や下痢などの消化器症状
・筋肉痛や関節痛
・発熱や感冒症状
・感情の起伏(イライラや不安感)
施術始めた初期に発生しやすく、頻度、施術部位などによっても症状の発生しやすさや程度が異なる場合があります。
好転反応の対処法・軽減する方法
好転反応が現れた場合、以下の対処方を試してみてください。
十分な水分補給
施術の前後には十分な水分補給をしましょう。
休息を取る
身体が回復するためには休息が必要です。無理をせず、必要なときにはしっかりと休みましょう。身体を冷やさないようにするのも効果的です。ただし、長時間の入浴は逆効果になる場合があります。
バランスの取れた食事
新鮮な野菜や果物を多く取り入れたバランスの取れた食事を心掛け、加工食品や高脂肪・高糖質の食事を避けることが重要です。施術当日の暴飲暴食、飲酒はほどほどに控えましょう。
軽い運動
無理のない範囲で軽い運動をすることで、血行が良くなり、体内の毒素の排出を促進します。ヨガやウォーキングが効果的です。
心身のリラクゼーション
ストレスを感じると好転反応が強まることがあります。リラックスできる時間を持ち、深呼吸や瞑想を取り入れると良いでしょう。
好転反応が起きた場合は、繰り返さないために施術回数や頻度、施術の強度を担当セラピストと相談して調整しましょう。
好転反応と病気の違い
好転反応と病気は症状が似ていることが多いため、判断が難しいことがあります。以下のポイントを参考にしてください。
経過時間
好転反応は数日から長くても数週間で改善されることが多いですが、病気の症状は治療無しでは長時間続くことがあります。
症状の変化
好転反応の場合、時間が経つにつれて症状が軽くなる傾向がありますが、病気の症状は悪化することがあります。
全体的な健康状態
好転反応の期間中でも、全体的な健康状態や活力が改善されていると感じることがありますが、病気の場合は全体的な体調が悪化します。
まとめ
好転反応は、一時的に体調が悪化するものの、身体が回復過程にあるサインとして前向きにとらえることが出来ます。
好転反応というものが本当にあるのかという点には科学的な証拠が不足しているため、賛否両論があります。しかし、多くの施術家や利用者様が経験しているのも事実です。
好転反応が起こった際の過剰な反応はさらに症状を悪化させる可能性があるため、不安な時はお気軽にご相談ください。人それぞれ反応は違いますし、どう反応が出たかでその後の施術の参考にもなりますので、お知らせいただけますと嬉しいです。